AIで書いても、心に届かない?Catchyと普段のAIを完成稿で比べる

推敲する編集者から読み手へ温かい光が届く、文章の伝わり方を表したAI生成の比喩イラスト。製品の効果を実証する画像ではありません。 ビジネス / 仕事術

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AIに文章を頼んだのに、返ってくるのは「丁寧だけれど誰にも響かない文」。結局、自分で書き直していませんか。選びたいのは、文章を大量に出す道具より、相手が読みたくなる切り口を探し、仕事で使える一案まで仕上げられる道具です。

Catchyと普段のAIを比べるなら、操作の速さだけでなく「相手の関心を捉えた案が出るか」「弱点を直せるか」を一つの仕事で見ます。

まずは「何を書くか」より「誰を動かしたいか」

Catchyの公式紹介では広告コピー、記事作成支援、メールの提案など用途別のツールが案内されています(2026年10月3日確認)。用途を選んで入力したい人と、対話しながら条件や切り口を探したい人では、操作の合い方も変わります。実際の入力欄で同じ素材を扱い、使いやすさを比べてください。

例えば「相談会へ誘うメール」でも、相手が知りたいのは開催情報だけでしょうか。「参加すれば、迷っていた何が決められるのか」が見えれば、読む理由を作れます。ここを一緒に考えられるかが、生成の速さより先に確かめたい点です。

完成例で見る:整った文章と、参加する理由が伝わる文章

以下は編集部作成の例文です。

共通素材:小規模な店舗の担当者向けオンライン相談会。テーマは予約受付の整理。候補日A・B、30分。参加者は事前に、現在の予約の受け方と困っている場面を一つ送る。当日は状況を整理し、次に調べる課題を決める。費用は未確認。導入成果や売上増加は約束しない。

案1:開催情報を伝える

件名:予約受付に関するオンライン相談会のご案内

予約受付をテーマに、30分のオンライン相談会を開催します。候補日はA日とB日です。参加をご希望の場合は、ご都合のよい日を返信してください。事前に、現在の予約受付方法とお困りの場面を一つお知らせください。

必要な情報はあります。ただ、相手が忙しければ「今、この案内を読む理由」はまだ弱いままです。

案2:担当者が困っている場面から始める

件名:予約の確認に追われる前に、受付の流れを一緒に整理しませんか

電話とメッセージを行き来して、予約を確認する時間が増えていませんか。今回のオンライン相談会では、現在の受付方法と困っている場面を一つ伺い、30分で状況を整理して、次に調べる課題を決めます。

A日・B日のうち、ご希望の日を返信してください。費用など未確定の条件は、参加を決める前にご案内します。

案2は場面が浮かびますが、相手が電話とメッセージを併用しているとは限りません。素材にない状況を相手の事実として断定しないため、質問形にしました。相手が予約システム一本で運用していると分かっていれば、その導入は不適切です。実際の悩みに合わせて別案を選びます。

「予約ミスがなくなる」「売上が上がる」を足せば強く見えても、この素材には根拠がありません。魅力は約束を大きくすることより、本当に提供できることを、相手の困り事に結び付けるところから作ります。

両方のAIへ渡す依頼文

上の共通素材だけを使い、相談会の案内を3案作ってください。読む人は店舗の予約受付担当者です。切り口は、①確認作業の負担、②課題の整理、③次に何を調べるかの明確化。各案を件名と本文に分けてください。未確認の費用や導入効果は作らないでください。案ごとに「どの相手に向くか」「素材を超えた推測は何か」「弱い部分」を説明し、最も適した一案を選ぶための追加質問を一つ出してください。

Catchyの入力欄が分かれている場合は、同じ素材と制約を欄に合わせて渡します。対話や追加修正に使える機能は各画面で確認し、できなかった工程も比較結果に残します。実在顧客の情報や社内資料は、勤務先の利用・入力ルールが認める範囲だけで扱います。

上手な一文より、「直したい理由」を扱えるか

最初の案が似ていたら、「もっと魅力的に」だけで再生成せず、意図を渡します。

相手はすでに予約システムを使っています。電話との併用を前提にした導入は合いません。予約変更時にどこで手間が生じるかを整理したい人へ向けて、参加する理由が伝わる案に直してください。変更した狙いも一文で説明してください。

比べるのは、言い換えの多さではなく、前提の修正が文章全体へ反映されたかです。件名だけ直して本文に古い前提が残る、根拠のない効果を足す、相手の悩みが消える、といった箇所は実務で手直しになります。

8分でできた案と12分の案、速い方を選んでよい?

比較を始める前に、仕事に使うための必須条件を決めます。今回の相談会メールなら「費用を作らない」「成果を保証しない」「候補日・事前準備・参加前の条件確認を落とさない」の3点です。好みの文体や速さは、その後で比べます。

次は編集部作成の架空の採点例です。Catchyや特定モデルの実測結果ではありません。

計測は送信可能な最終稿まで
比較する点道具A道具B
最初の所要時間8分12分
費用の記載未確認なのに「参加無料」を追加参加前に条件を案内と記載
この時点の判断未完成。送信に使えない他の必須条件も満たすなら比較対象
修正と再確認追加6分。根拠のない料金を除去し全文を再確認12分に最終確認まで含む
同じ終点までの時間14分12分

Aの8分をBの12分と比べると、完成状態が違います。Aを修正できなければ、時間の欄を「未完成」として残し、使える案の速度ランキングから外します。誤りを直す代わりに採点基準を緩めないことがポイントです。

次の仕事でも使える判定順

  1. 生成前:必須の情報と、加えてはいけない約束を素材から決める。
  2. 初稿:違反箇所と修正指示を記録する。文体の好みと事実の誤りを混ぜない。
  3. 最終稿:全文で必須条件を再確認してから、準備・選定・修正・確認を含めた時間を比べる。
  4. 使い分け:同種の仕事を複数回試し、今回だけの差か確かめる。相手の反応や売上は別途測る。

この例だけでBが常に優れるとは言えません。料金・利用枠を含めた契約判断は、下の料金記事と合わせて検討してください。

3回試して1回は未完成。平均時間だけで選ばない

同じ種類の仕事を複数回試したら、「完成できた回数」と「全試行に使った時間」を一緒に残します。失敗した回を時間集計から除くと、やり直しの多い道具が速く見えることがあります。

以下は編集部作成の架空例です。どちらも同じ3課題を、同じ必須条件で試したとします。

  • 道具A:8分で完成、9分で完成、15分使って未完成。完成2件/試行3件、全試行32分。
  • 道具B:12分、12分、13分で3件完成。完成3件/試行3件、全試行37分。

Aの完成した2件だけなら平均8.5分ですが、未完成の1件を残したままBより効率がよいとは決められません。全試行時間を完成数で割るとAは16分/完成件、Bは約12.3分/完成件です。この値にも、Aの残った課題を今後仕上げる時間はまだ含まれていません。

練習:Aの未完成分を、手作業20分で仕上げたら?

Aは32+20=52分で3件完成、約17.3分/完成件です。Bの37分と同じ3件の終点で比較できます。「手作業で補完」と記録し、Aだけで3件完成した結果とは分けます。失敗後に別のAIへ切り替えた場合も、その時間と追加費用を含めます。

比較メモに残す一行

課題数:__/同じ必須条件で完成:__件/全試行+修正+確認:__分/未完成課題:__/補完方法と時間:__/次回も必要な仕事:__

3回は記入方法の例で、製品の優劣を確定するための回数ではありません。大事な課題が未完成なら、その用途での利用を見直し、完成できた用途だけの使い分けを考えます。

完成できた仕事量を、料金・利用枠と照合する

追加契約を決める前に、完成稿と手間を一組で残す

  • 使える切り口:誰にどの案を使うか、理由を説明できたか。
  • 事実:素材にない約束や、読者についての決めつけを直したか。
  • 修正:意図を伝えた後に、文章が狙いに近づいたか。
  • 仕事全体:準備・生成・選定・修正・最終確認に、どれだけ手間がかかったか。

入力文、利用日時と画面に表示された機能・モデル名、初稿、追加指示、最終稿を一組で保存します。新しい会話で試した結果と、追加指示で直した結果は分け、元の出力を上書きしません。こうして残すと、「今回は便利だった」の中身が見えます。同じ入力でも出力は変わり得るため、一回の好結果だけで優劣は決めません。OpenAIの評価ガイドも、生成AIの出力の変動を評価上の注意として説明しています(2026年10月5日確認)。

普段のAIで十分なら、そのまま使う選択で構いません。特定の用途で完成稿までの手間が減るなら、その用途に限った使い分けを検討します。料金と利用枠を、月に何回その仕事をするかと合わせて考えましょう。

補足:Haiku 5.5の話題から、API費用を比較したい方へ

Haiku 5.5の話題から来た方へ:API費用と文章の使い勝手は別に比べる

2026年10月8日追記。新モデルの紹介を見て乗り換えを考えている方は、まず「Webアプリの定額契約」と「APIの従量課金」を分けてください。

Anthropicの公式変更点では、Haiku 5.5は4.5と比べ、同じ入力文でもトークン数が約30%増えると説明されています。増加幅は内容次第です。これはAPIで数える単位の話で、文字数が30%増えたり、請求全体が必ず30%増えたりする意味ではありません(確認:2026年10月8日)。

入力分だけを比べる架空例

実際の料金ではなく、計算方法の例です。旧モデルで1,000トークン、新モデルで1,300トークン、どちらも100万トークン当たり1ドルと仮定すると、入力分は0.001ドルと0.0013ドルです。もし新モデルの単価が0.5ドルなら0.00065ドルになります。単価と使用量の両方が必要で、トークン数だけでは高い・安いを決められません。

  1. 同じ架空の依頼文を用意し、両方の実際の入力・出力使用量と、その日の料金条件を記録する。
  2. 入力・出力それぞれの課金額に、適用されるキャッシュ等の条件や再試行を含める。上の入力だけの例を請求総額にしない。
  3. 上の「完成稿と手間」の項目で必須条件を確かめ、手直し時間も比較する。Webアプリだけを使う方は、契約額・利用枠と完成までの作業時間から比べる。

例文は比較方法を説明するための架空の教材です。製品ごとの実測比較は行っていません。扉絵はAI生成イラストです。

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