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「利用者の90%が満足」。AIが整えた広告文にこの一文が入っていたら、読みやすさより先に確認したいことがあります。90%の分母は、利用者全員でしょうか。それともアンケートに答えた人だけでしょうか。
数字が元資料と一致しても、その数字が指す人、期間、条件まで一致するとは限りません。この記事では、文章候補と元資料を並べ、数字の意味が広がっていないかを確かめます。
18人÷20人は90%。では、100人の利用者について何が言える?
次は説明用の架空例です。あるサービスの利用者100人にアンケートを案内し、20人が回答。そのうち18人が「満足」を選んだとします。未回答の80人がどう感じているかは分かりません。
表が画面に収まらないときは横へスクロールできます。キーボードでは表の枠に移動し、左右の矢印キーで動かせます。
| 確認するもの | この架空例で分かること | ここからは言えないこと |
|---|---|---|
| 回答者の満足割合 | 18人÷20人=90% | 利用者全員の90%が満足した |
| 回答率 | 20人÷100人=20% | 未回答者も回答者と同じ評価だった |
| 満足と回答した人数 | 18人 | サービス利用によって満足度が改善した |
原稿に残す候補は、例えば「アンケート回答者20人中18人が『満足』と回答」です。それでも調査期間、質問文、回答者の選び方などの確認は残ります。
元データの集計に問題がある場合、文章だけ整えても解決しません。数字を広告に使えるか判断できなければ、その主張は掲載を保留します。
分母を変えずに、回答率と満足割合を計算する
本文の架空例を確かめる計算欄です。対象者全員に案内し、1人1回答の集計を前提にします。満足者数は回答者の内数です。
計算後、入力条件・結果・注意点をまとめてコピーできます。
「5%アップ」と「5ポイント上昇」を混ぜない
こちらも計算説明用の架空例です。ある割合が80%から85%へ変わった場合、差は5パーセントポイント。元の80%に対する相対的な増加率は、(85-80)÷80×100=6.25%です。
「5%アップ」と書くと、差を意味しているのか、元の値に対する増加を意味しているのかが曖昧になります。「80%から85%へ、5ポイント上昇」と数値を並べた方が、計算の意味を確認しやすくなります。
ただし、計算が合うことと改善を証明することは別です。前後で質問、対象者、集計方法が変わっていないかも確認します。少人数の結果だけから、AIの導入効果や次回の成果を断定しません。
公開前に数字を5つの欄へ分ける
原稿と元資料を、次の5項目で照合します。
表が画面に収まらないときは横へスクロールできます。キーボードでは表の枠に移動し、左右の矢印キーで動かせます。
| 欄 | 元資料と照合する内容 | いったん止める例 |
|---|---|---|
| 対象・分母 | 誰の、何件の数字か。回答者か全利用者か | 回答者の結果を全員の結果として書いた |
| 期間 | いつからいつまでか。単月か累計か | 累計利用件数を現在の利用者数に変えた |
| 単位・計算 | 円、万円、件、人、%、ポイントの区別 | 申込件数を人数へ、ポイント差を%へ変えた |
| 比較条件 | 前後・他社で対象や方法がそろっているか | 別の対象・別の質問の数字を比較した |
| 根拠の所在 | 資料名、版、ページ、担当者、確認日 | リンク先に該当する数字が見当たらない |
「約」「最大」「平均」といった数字の周辺も残します。「最大30分」を「30分短縮」と変えると、数字自体は同じでも主張は変わります。小さな注記へ条件を移す前に、見出しだけ読んだ人に何が伝わるかも見直してください。
AIには照合の候補を出してもらい、人が資料を開く
利用を認められた環境へ、入力してよい資料だけを渡します。氏名や個別の回答を含む調査データを、許可なく入力する前提にはしません。
原稿内の数字と、数量・割合・順位に関する主張を抜き出してください。各行に「原稿の表現/資料の該当箇所/対象・分母/期間/単位/比較条件/確認待ち」を付けてください。資料にない情報を補わず、対応箇所がなければ「根拠未確認」としてください。適法性や調査の妥当性を確認済みとは判定しないでください。
これは作業用の依頼文案です。出力された対応表にも誤りがないか、元資料を開いて確認します。別のAIが同じ数字を返したことも、原資料による裏付けの代わりにはしません。
消費者庁の不実証広告規制の説明では、根拠資料の客観性に加え、表示した効果・性能と資料で実証された内容との対応が判断基準として示されています。出典があるかだけでなく、その出典がその文章を支えているかを見る必要があります。
「満足度No.1」など順位を追加する場合は、単独商品の回答割合だけでは他社との順位を説明できません。消費者庁が2024年9月26日に公表したNo.1表示の実態調査も参照し、比較対象や調査方法まで確認してください。
AIが示したリンクの、どこを根拠にすればよいか迷ったら:出典の実在・原文の該当箇所・条件の一致を確かめる3段階へ進めます。「全プランで無料」と「初回7日間の体験」が食い違う架空例と、主張を一文ずつ照合するメモを掲載しています。数字の集計が合っているかとは別に、出典がその主張を支えているかを確認するための手順です。
コピーして使う、数字1件の照合メモ
次の欄を自分の文書へコピーし、数字ごとに1枚残します。個人の回答内容ではなく、集計の定義と資料の所在を記録します。
原稿の主張: 元資料の正確な表現: 資料名・版・ページ/URL: 対象・分母: 期間・単位・比較条件: 数字に付く条件(約・最大・平均など): 一致した点/一致しない点: 未確認事項・確認先: 編集判断:掲載保留/表現修正案/照合済み 確認者・確認日:
「照合済み」は、原稿と資料の対応を確認した記録です。未回答者の評価など、元資料から分からない点は未確認のまま残します。
次の原稿では、数字を一つだけ選んでたどる
まず一つの数字について「どの資料の、誰を対象とした、いつの結果か」を書き出します。確認できない欄があれば、その数字を使った主張を保留し、資料を持つ担当者へ確認します。根拠を見つけられないまま「多くの人が満足」のような曖昧な表現へ置き換えるだけでは、主張の確認は終わりません。
文章候補を作る道具の選び方は、Catchyの料金と用途の確認ガイドで整理しています(リンク先に広告を含みます)。どの道具を使う場合も、生成された表現と、確認を終えた事実を分けて管理しましょう。
調査の数字をAIに渡す前に、データの扱いも確認する
分母や調査期間をそろえた後でも、回答原文や録音に個人情報が含まれる場合は、そのままAIへ入力する前に扱いを確認します。たとえば「18人が満足」と集計だけを渡す場合と、氏名入りの回答原文を渡す場合では、渡す情報が違います。
利用するサービス・プランの資料を手元に用意して、確認表を使ってください。
補足:計算欄に送信・保存機能はありません。広告の掲載判断では、原稿の照合に加えて調査方法や適用される表示ルールも確認してください。


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